まちづくり 座談会

ず〜っと大好きなまち旭♥

まちづくり座談会

日時/平成30年7月17日(火)午後1時30分〜
場所/市役所南分館

「旭市ってどんなところ?」と聞かれたら、皆さんは何と答えますか?
気候が温暖で、美味しいものがそろっていて、自然が豊かで、人があったかくて……。
実際に住んでみないと分からない魅力もあれば、身近すぎて見逃している魅力もあるはず。
そこで旭市に移り住んだ人、戻ってきた人、地元で生まれ育った人に集まってもらい、
それぞれの視点から、旭市での暮らしについて自由に語り合っていただきました。
旭市を選んだ理由、住み心地、子育て環境、旭市の宝、まちづくりへの提言まで、
皆さんの生の声を通して、ありのままの旭市の素顔を伝えます。

 
 
出席者(左から)
 コーディネーター(司会)/伊知地正樹(市秘書広報課)
 宮﨑 由美子さん(美容師)
 榎本 宜靖さん(米穀業)
 Mihoさん(チア&ヨガインストラクター)
 有馬 裕香さん(料理教室運営)
 菅谷 知里さん(農業)
 豊嶋 陽介さん(金物店勤務)

旭市を選んだ理由と旭市に住み続ける理由

伊知地 今日は皆さんに、旭市での暮らしや地域の魅力、まちづくりへの要望などを自由に語っていただこうと思います。まず、Mihoさん、有馬さん、豊嶋さんが移り住んだきっかけを伺いたいのですが、いろいろな都市がある中でなぜ旭市を選んだのですか?
Miho 私は四街道市出身で、2016年9月に旭市に移住してダンススタジオを立ち上げ、インストラクターをしています。旭市を選んだのは親戚や知り合いが多かったから。そもそもダンススタジオを立ち上げたのも、旭市に住むいとこの子どもにチアを教えて「もっと練習して発表できるようになりたい」と言われたのがきっかけです。
有馬 私は横浜市出身で、大学以降はずっと東京で暮らしていました。あるとき、週末に東京から匝瑳市に通って米作りをするプロジェクトに家族で参加したんです。ちょうど長男が生まれて家を持とうと検討していた時期で、せっかく建てるなら広くて自然がある所がいいねと夫と話をして、2015年3月に旭市に引っ越してきました。
豊嶋 出身は宇都宮市で、大学以降は東京で暮らしていましたが、前々から子どもが生まれたら田舎で育てたいと考えていました。旭市には妻の実家があって親戚もたくさんいますし、豊かな自然環境は子育てにも良いと思い、2014年7月、長女が5歳のときに移住しました。
伊知地 宮﨑さんはUターンをされましたが、旭市に戻ろうと決めた理由を教えてください。
宮﨑 高校を卒業後、とにかく「都会に出たい」というだけの理由で東京に就職したのですが、いざ東京で暮らし始めると、楽しいながらも「いつかは帰りたい」という気持ちが芽生えました。その気持ちが大きくなったとき、旭市で美容師をしている叔母が「帰ってきてうちの店で美容師をやらない?」と声を掛けてくれて。「手に職をつければ生活していける」と思って24歳で美容専門学校に入り、旭市に帰るため美容師になりました。2016年10月にUターンし、今は嫁ぎ先で美容師をしています。
伊知地 榎本さんと菅谷さんは長年旭市に住んでいますが、都会へ出たいと思ったことはありますか?
榎本 都会の人ごみが苦手なので、旭市に住んでいて良かったと、大人になってから思うようになりました。私の場合、生まれは八日市場市(現匝瑳市)で、小学校5年生まで浦安市に住み、小学校6年生から旭市で暮らしています。都会に比べると、コンビニに駐車場があるとか(笑)ささいなところで便利だなと感じます。やはり旭市が一番住みやすいですね。
菅谷 私は干潟地域で生まれ、旭市から一歩も出ずに暮らしてきました。人と接するのが苦手なので、都会に住むことは考えたこともありません。生まれ育った干潟地域は本当に田舎で、旭地域でさえ私にとっては都会です(笑)。夫も干潟地域出身だし、住みやすいから旭市に住み続けています。今は夫の実家の苗木農家を手伝っています。
 

野菜をどっさりお裾分け温かくて大らかな人柄が魅力

伊知地 実際に生活して、旭市の住み心地はいかがですか?
豊嶋 東京に比べて夏は暑すぎず冬は寒すぎず、気候が温暖で住みやすいですね。子育ての面では、浜辺での宝探しや公民館でのミュージカルなど、無料で子どもが参加できるイベントがいろいろあって恵まれた環境です。
宮﨑 子どものころは、交通の便が悪くてどこへ行くのも大変でしたが、大人になって自分で車を運転できるようになってからは支障なく生活できています。何より、田舎の雰囲気はやっぱり良いですね。
Miho 知り合いからよく野菜をいただきます。「せっかくだから、すぐ料理しよう」という気持ちになりますし、知り合いの畑で取れた野菜だと思うと一層美味しく感じますね。それから旭市はイベントやお祭りが盛りだくさんで、地元の皆さんが人生を楽しんでいるなと感じます。私が好きなのは花火大会。都会の花火大会は駅から会場まで人ごみで埋まるイメージですが、飯岡の花火大会は海岸にレジャーシートを広げてのんびり楽しむことができます。
有馬 私もMihoさんと一緒で、野菜が新鮮で安くて美味しくて、それがすごく嬉しいですね。よく移住の特集で「田舎の人はよそ者に優しくない」といわれたりしますが、旭市ならその心配はありません。引っ越して来たら、ご近所の皆さんは良い人ばかり。次男が生まれてすぐのころ、隣のおばさんに次男を預かってもらって歯科医院に駆け込んだことがありました。そういう急なお願いも快く引き受けてくれます。それから道も、公園も、家も広くて伸び伸び暮らせるのも良いですね。
伊知地 旭市で長年暮らしている菅谷さんと榎本さんは、皆さんの住み心地を聞いてどう感じましたか?
菅谷 共感できたのは、野菜が美味しいこと。お米もとびきり美味しくて、私は実家で作ったお米を食べて育ちました。ご飯が美味しいのは幸せだなと思います。
榎本 ご近所や知り合いから野菜をいただくというのは、みんながやっていることで、そこから近所付き合いがつながっていきます。だから、道で知らない人とすれ違っても自然に挨拶ができる。それはすごく良いことだと思います
宮﨑 スーパーで買い物をしているときも、知らないおばちゃんとうちの子がおしゃべりを始めたり(笑)。
豊嶋 東京ではお店のお客さんには丁寧な言葉遣いをするものだというイメージがありましたが、こちらではむしろ丁寧で堅苦しい話し方じゃないほうがコミュニケーションを取りやすい。そこは面白いですね。


Mihoさん(東足洗)

四街道市出身・チア&
ヨガインストラクター

2016年9月に移住。「旭市でチアを広めたい!」とダンススタジオを経営。ヨガのレッスンも実施。


有馬 裕香さん(井戸野)

横浜市出身・料理教室運営

匝瑳市での米作り体験を機に、子育て環境が気に入り2015年3月に移住。自宅で料理教室を開く。


豊嶋 陽介さん(ロ)

宇都宮市出身・金物店勤務

2014年7月に移住し、その後も2年半東京へ通勤し退職。1年半前から妻の実家が営む店に勤務。

美味しい食べ物と大自然身近にたくさんある「旭市の宝」

伊知地 皆さんは「旭市の宝」は何だと思いますか? 例えばよその人に旭市をPRするとき、何を伝えたいですか?
Miho 海が近くて癒されますね。仕事や生活でストレスを感じて癒しを求めている人に「一度来てみて」とお誘いしたいです。
榎本 確かに、よく「海に近くていいね」と言われるし、友人たちは海に来たがります。でも、近いとありがたみが薄くて、あまり意識していませんでした。
有馬 農業が盛んで、農業産出額が全国6位と聞いて驚きました。畜産も豚肉が全国2位。すごいですよね。
菅谷 そんなふうに思ってもらえるのかと、改めて感じました。私にとっては、地元産の野菜やお肉がたくさんあって、美味しいのは子どものころから当たり前だったので「旭市はすごい」と感じるようになったのは実は最近です
宮﨑 東京の友人が子どもを連れて遊びに来たとき、旭市は何もないようで実は行く所がたくさんあります。嫁ぎ先では牛を飼っていますが、牛舎を見るのも子どもたちには良い刺激になるようです。行こうと思えば近くに養鶏場や養豚場もあるし、広大な畑もある。一本道の周り全部が田んぼという景色だって、都会では見られません。
榎本 文化の杜公園の芝生広場も驚くほど広い。地元にいるとそのすごさに気付かないけれど、そこに子どもと行くだけでボール遊びをしたり走り回ったり何でもできます。
豊嶋 私は成田空港に近いのが魅力だと思います。宇都宮近辺には空港がないので、旅行でせっかく安いチケットをとっても、空港の近くに前泊しなければなりませんでした。でも旭市からはすぐ成田空港へ行けます。
 

旭市をもっと便利にもっと知ってもらうには

伊知地 「旭市の宝」をたくさん挙げていただいてありがとうございます。次に「旭市がこうなればさらに良くなる」という、まちづくりへの提言をお願いします。
榎本 私は消防団に入って5年になりますが、地域によっては団員が足りなくて何年経っても交替する見通しが立たず、ボランティアでありながら非常に大きな負担がかかっている人がいます。切実な問題ですので、どうにか改善してほしいと思います。もちろん、消防団に入って良かった面もあります。大人の部活みたいなもので、団員同士の絆が強く、本気で操法競技の練習をしたり、一緒に食事に行っ
たりしています。ただ、人が足りないというのが問題です。
伊知地 旭市に住んでいても、勤務先が遠くて消防団で活動できない人もいますよね。地域のつながりという面ではメリットもたくさんあるのですが……。他にどうですか?
豊嶋 交通の便が悪く、高速道路は横芝までだし、電車も単線です。もし高速道路が整備され、電車も複線にして快速や特急が利用できれば、東京まで1時間圏内となります。そうなれば、旭市に移住して首都圏へ通勤する人を増やせますし、旭市から都会へ流出する人が減るかもしれません。
有馬 旭市への移住を考えるとき、一番の問題は仕事です。うちの場合、近くで仕事を探しましたが見つからず、結局今は六本木まで通勤しています。終電が早いので、成東まで車で行ってそこから電車に乗りますが、結構大変です。豊嶋さんの言う通りもっと通勤の便が良くなれば、移住する人が増えるのではないかと夫とよく話しをしています。
豊嶋 もう一つ、私は妻と結婚するまで旭市がどういうところか知りませんでした。知れば良いところがたくさんあるけれど、目玉になるものがないから認知度が上がらないのではないでしょうか。目玉が一つあれば、旭市を知らない人にも伝えやくなります。
Miho ホームページにしても旭市に興味のある人しか見ません。旭市を知らない人の目にも入るようなPRをしないと、魅力に気付いてもらうのは難しそうですね。
伊知地 裏返せば旭市には何でもあるから、目玉がつくれなかった面もあるでしょう。「旭といえばこれ」というものを押し出してPRすることが大切かもしれません。
有馬 今、都会では仕事に疲れている人が多く、「田舎に引っ越して農業をしよう」という提案が多いんです。旭市には基盤があるので、就農して自立できるようなプログラムがあれば若い人を呼ぶことができると思います。
伊知地 皆さんのご意見を参考に、活気があって、住みやすく、多くの人に選ばれる旭市にしていきたいと思います。
 

ぜひ多くの皆さんに魅力を体感してほしい

伊知地 最後に、これから旭市への移住やUターンを考えている皆さんにメッセージをお願いします。
有馬 自然が多く、子育てには最高の環境です。都会では保育園を探すのが大変ですが、旭市には待機児童がおらず、希望すれば何歳からでもすぐ入園できますよ。
Miho とにかく一度、来ていただくことをお勧めします。来れば必ず旭市の魅力を実感できます。
宮﨑 個人的には、東京にいたときよりも旭市の生活の方が充実しています。周りに手を貸してくれる人がたくさんいるので、時間にも心にも余裕ができました。皆さんにも旭市で、ゆったりとした時間を味わってもらいたいと思います。
豊嶋 肉も野菜も果物も美味しくて、お裾分けも多い。旭市は良いところなので、ぜひ一度来てください。
菅谷 旭市の人は優しくて、子どもたちも地域の人と自然に触れ合いながら成長していきます。旭市に来ていろいろ見たり体験したりすれば、本当の良さが分かります。
榎本 都会が好きな人もいれば、田舎が好きな人もいるでしょう。旭市への移住を考えるのは、田舎の雰囲気が好きな人だと思います。海が好きとか、静かなところが好きとか、そういう気持ちがあれば、一度来てほしいと思います。
伊知地 皆さんのおっしゃるように、多くの人に旭市の魅力を体験してもらえるようなしくみ作りを考えたいと思います。今日はどうもありがとうございました。


菅谷 知里さん(新町)

旭市出身・農業

旭市で生まれ育ち、これからも旭市を出たくないという根っからの旭人。夫の実家の苗木農家を手伝っている。


榎本 宜靖さん(ハ)

旭市出身・自営業(米穀業)

八日市場市で生まれ、浦安市で育ち、小学6年生で旭市に移住。趣味のバレーボールに熱中している。


宮㟢 由美子さん(萬歳)

旭市出身・美容師

高校を卒業後、東京で就職して18年間働く。美容師の資格を取り、2016年10月にUターン。


伊知地 正樹(萬歳)

旭市出身・旭市役所勤務

生まれてからずっと旭市在住。プライベートでは旭市バレーボール協会の会長などを務める。